プラスチックゴミ・ペットボトルの分別は本当に必要?燃えるごみでもいいの?分別が分かりにくい理由

更新:2020年6月2日

引っ越しをしたら、以前の自治体では不燃で捨てていたプラスチックが今度の自治体では可燃だったり、頑張って資源に分別しているペットボトルも汚れていたら可燃で良かったり。「もう何が正しいのか全く分からない…!!」という方は多いのではないでしょうか。そこで、なぜこんなにプラスチック分別が分かりにくいのか、分別することにどんな意味があるのか、調べてみました。

目次

プラスチック・ペットボトルの分別回収は本当に意味があるの?

まず、ペットボトルやプラマークのあるもの(容器包装プラスチック類)は容器包装リサイクル法という法律でリサイクルを推進することが求められています。

リサイクルによってペットボトルは卵パックや繊維、もう一度飲料用ボトルなどに、容器包装プラスチックは物流パレットや再生プラスチック原料、工場の炉で燃やすための燃料などに生まれ変わっています。

なお、この法律が作られた平成12年当時、家庭から出るごみの約60%(容積比)が容器包装プラスチックごみで、これを何も対応せずごみを埋め立をて続けたら最終処分場(埋立地)が7~9年で溢れてしまうほどひっ迫した状況でした。現在は最終処分場の残余年数は全国平均で20年くらいには延びたようですが、一方で温暖化対策として資源の有効活用の重要性が急速に高まってきています。

 

汚れたプラ・PETは可燃ごみ?不燃ごみ?

プラマークがあるものやペットボトルも、ひどく汚れてしまったものはリサイクル品の品質を下げてしまう可能性があり、またプラスチックでもプラマークがないものはリサイクル対象ではないため、リサイクルに回せません。その場合、可燃ごみとして処理することが増えています。

以前はリサイクルできないプラスチックを不燃ごみとして処理することが多かったのですが、近年焼却炉の性能が向上し、プラスチックを安全に安定的に燃やすことができる施設が増えおり、リサイクルできないプラスチックを可燃ごみとして処理する自治体が増えているのです。

プラスチックごみを不燃ごみにせず可燃ごみにすることには2つのメリットがあります。ひとつは不燃ごみとしてそのまま埋め立てを行うと埋立地(最終処分場)があっという間に足りなくなってしまうこと、もう一つは燃やした時に発生する燃焼熱を回収することにより有効活用できることです(これをサーマルリサイクルと言います)。

なお、古くからの焼却炉を活用している自治体では、焼却炉の性能上、プラスチックを処理できないことがあり、リサイクルできないプラスチックを不燃ごみとして回収していることがあります。焼却炉の建て替えは用地の確保から建設、運用まで時間もお金もかかる一大事業なのでなかなか簡単には新しい施設に建て替えができないのですね。

 

さらにややこしい!「大きさで分別が異なる問題」

なお一部の自治体では、汚れなどによりリサイクルできないプラスチックを可燃ごみに分類しているにも関わらず、衣装ケースなど大きすぎるごみは不燃ごみに分類されることがあり、分かりにくさの原因になっています。

この理由は、大きすぎるごみは焼却設備の中でひっかかってしまい、トラブルの原因となることがあるためです。通常このような理由で不燃ごみとして回収されたプラスチックは、不燃ごみとして破砕処理された後で再度分別され、焼却できるものは焼却に回されていることが多いようです。捨てる人の代わりに自治体があとから分別してくれているんですね。

 

そもそも「容器包装プラスチック」というのが分からない!!

それ以前に、同じ種類の材料でもプラマークがあるものとないものがあって納得できない!という声もありそうです。これには法律が関わっています。

容器包装リサイクル法ではプラスチック製容器包装やペットボトル、アルミやスチールの缶、ガラス瓶、段ボールや牛乳パックなどの紙製の包装をリサイクルの対象としています。

そして「容器や包装を製造・輸入・販売している事業者」を「特定事業者」と定め、製造・販売量に応じたリサイクルを義務づけています。実際は特定事業者自身がリサイクルするのではなく、リサイクルする費用を負担する形をとっています。

このように、「容器や包装を製造・輸入・販売している事業者」がリサイクル義務を負っており、彼らの製造・販売する「容器包装プラスチック」がリサイクル対象となっているため、プラスチック製容器包装であったとしても、例えば以下のようなものはリサイクル対象ではなく、プラマークの表示もありません。

  • 製品そのものがプラスチックでできているもの
  • クリーニングの袋など、中身が「製品」ではないもの
  • CDケースなど、商品と分離してすぐに捨てるわけではないもの

なお、令和4年4月1日に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に係る法律」では、プラスチック製容器包装廃棄物以外のプラスチック使用製品についても再商品化できることになったため、今後は容器包装ではないプラスチックのリサイクルも進むかもしれませんね!

めんどくさい・・!!ごみ出し前のひと手間はなぜ必要??

ちなみにペットボトルやプラスチックを資源として捨てる時に、軽くすすいで、蓋とラベルをとって、など分別前のひと手間が正直めんどくさい!という方は多いと思いますが、なぜこのような手間が求められているのでしょうか。

実はプラスチックのリサイクルには以下の3つの方法があり、そのことと関わっています。

リサイクルの種類概要
マテリアルリサイクル回収したプラスチックを溶かすなどの処理を経てあらたな製品にするリサイクル。物流パレットなどが作られる。
ケミカルリサイクル回収したプラスチックに科学的な処理を加えて、工業製品の原料になるガスや石炭の代わりになるものなどが作られる。
サーマルリサイクルプラスチックを燃やしてその熱を有効活用する方法。

プラスチックの価値を極力落とさず、価値の高いものに再生することを考えると、マテリアルリサイクル→ケミカルリサイクル→サーマルリサイクルの順番になるのです。

そしてマテリアルリサイクルできる廃プラスチックは、純度の高い、きれいな廃プラスチックである必要があるのです。リサイクルされる自治体の廃プラスチックは年に1回品質チェックが行われており、汚れが残っていないか、他の材質が混ざっていないかなどがチェックされ、等級がつけられます。捨てる前のひと手間で資源の価値が変わると思えばちょっと頑張る気持ちが持てませんか?

なお、燃やすだけのサーマルリサイクルは世界的に見るとリサイクルとは認められないのが標準になっています。日本もより高価値のまま再利用する割合を増やしたいですね

まとめ。だからごみ分別は自治体によって異なっていたんだ!

さて、おおまかにはここまで見てきたような背景があって自治体ごとに異なる分別になっているのですが、焼却炉の性能、回収後に分別・チェックする設備や人員体制、最終処分場のひっ迫具合、資源として回収されるプラスチックの品質、リサイクル推進への意気込みなど、自治体によって背景にある条件の組み合わせは全て異なり千差万別ですので、それらの組み合わせの結果として自治体ごとにさらに細かな分別ルールの違いが生じているものと思われます。

いずれにしても、その自治体にとって現在ベストだと考えられる分別ルールになっているはずですので、ルールに従い分別することで貴重な資源を最大限有効活用できると良いですね!

 

ごみの分別に迷ったら

本サイトでは、市町村ごとに異なるごみ分別方法の検索ページを提供しています。

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※対象の市町村は順次追加中です。掲載されていない市町村もありますのでご了承ください

※参考サイト

容器包装リサイクル協会HP  (最終閲覧2022/5/2)

環境省 容器包装リサイクル法とは   (最終閲覧2022/5/2)

一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和元年度)について   (最終閲覧2022/5/2)