削ったり割ったりしてはいけない。アスベストを含む珪藻土製品の取り扱いについてご紹介。

更新:2021年9月27日

日本では2006年9月に重量の0.1%を超えて含まれる製品の使用や輸入、販売などを禁止。しかし、過去の石綿使用により中皮腫だけでも毎年1500人超が亡くなっている。すでに肺がんなどを含めると年間2万人超が死亡していると推計されている。

アスベスト製品を含む珪藻土製品の取り扱いについてご紹介します。

アスベストとは

髪の毛の5000分の1というきわめて細い繊維状の鉱物。熱や摩擦、酸、アルカリに強く、耐久性も高いため、過去に約1000万トン輸入され、工業製品や建材などに使用された。ところが、発がん性がきわめて高く、吸ってから数十年後に中皮腫などを発症する場合があることが明らかになり、「静かな時限爆弾」と呼ばれるようになった。
日本では2006年9月に重量の0.1%を超えて含まれる製品の使用や輸入、販売などを禁止。しかし、過去の石綿使用により中皮腫だけでも毎年1500人超が亡くなっている。すでに肺がんなどを含めると年間2万人超が死亡していると推計されている。


アスベストが含まれた珪藻土製品の状況

最初に問題になったのは大阪府貝塚市のふるさと納税返礼品に採用されていた堀木工所(同市)製造の珪藻土バスマットとコースターである。
市政策推進課によれば、もともと同社が2020年2月に端材の処分を依頼しようとした際、産業廃棄物(産廃)処業者から石綿含有の有無を聞かれたことが発覚のきっかけだ。同社委託では石綿「不検出」だったが、市が「念のため」独自に分析委託したところ、安衛法の基準である重量比0.1%を超えるクリソタイル(白石綿)を検出した。
石綿含有の有無が割れたため同社が厚労省に相談したところ、同省が改めて分析を委託。やはり石綿含有を確認した。そして同11月27日、同社は約2万6000個の自主回収を発表することになった。
1月15日までの1カ月半ほどでじつに計61製品から石綿が検出され、400万個近くの自主回収が発表された。これだけ多くの家庭用品からアスベストが検出され、回収となるのは2006年9月に石綿使用が原則禁止されて以降初めてのことだ。


なぜアスベストが珪藻土製品に含まれたのか

堀木工所の珪藻土製品は大手建材メーカー・段谷産業(2002年自己破産)から2001年に購入した建築材料「繊維強化セメント板」を貼り合わせたり、切断するなどの加工を施し2016年2月以降に販売したもの。つまり、建材を転用しただけの代物にすぎないことが同省の調査で判明している。堀木工所が原材料の建材を購入した当時、クロシドライト(青石綿)やアモサイト(茶石綿)の重量比1%超の使用は禁じられていた。だが、今回検出したクリソタイル(白石綿)は使用が禁止されておらず、どれだけ含まれていようが「適法」だった。同社は建材の「安全データシート(SDS)」を同省に提出しているが、そこに白石綿の記載はない。当時、原材料などの販売時に同1%超の石綿を含むことを知らせる義務が定められていた。しかし、国や市の分析で確認されたのは1%以下で「記載義務もなかった」(同省)という。問題は、石綿の記載義務がなかった時期に購入した原材料を2006年の原則禁止以降に分析して調べもせずに“在庫処理”したことだ。その結果、基準を超えて石綿を含む製品を販売した。これに対し、ニトリやカインズ、不二貿易はいずれも中国の会社で製造された輸入品だ。石綿禁止前の“在庫処理”とは事情が異なる。原因は各社とも「調査中」ではっきりしないが、そもそも珪藻土は珪藻(けいそう)という「藻」が化石となってたい積したもの。一方、石綿は蛇紋石や角閃石のマグマが特殊な条件で水に冷やされてできたものだ。成り立ちの違いから産出した珪藻土に石綿が入り込むことは考えられない。


削ったり割ったりしてはいけない。アスベストを含む珪藻土製品の取り扱いについてご紹介。まとめ

石綿が混入したベビーパウダーを業務で使って中皮腫を発症し労災認定を受けている事例がある。今回のような事例が続けば、石綿混入の日用品による一般住民の健康被害すら出かねない。