スーパーにも、コンビニにもたくさん並んでいる「ペットボトル」。手軽に飲めて、もち運びにも便利なので、皆さんもよく購入しているのではないでしょうか。
自治体でも「ペットボトル」単体で回収したり、ごみ箱も「ペットボトル」専用のものが設置されていたり、その後の行方が気になりませんか。
そこで今回は、日常でもおなじみの「ペットボトル」について、そもそもペットボトルとは何か、メリットとデメリット、リサイクルについてなど「ペットボトル」についてご紹介いたします。
目次
ペットボトルとは
ペットボトルは石油から作られています。「プラスチック」の代表選手は、ポリエチレン、ポリプロピレン、プラモデルなどに使われるポリスチレン、繊維に使われるナイロン、ポリエステルなど。このうち、PET ボトルはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)からつくられます。ですから素材としては、ワイシャツやブラウスなどの繊維や食品包装フィルムと同じです。
PET ボトルの原料は、石油からつくられるポリエチレンテレフタレートと呼ばれる樹脂です。英語で POLY ETHYLENE TEREPHTHALATE と書くため、その頭文字をとって「PET(ペット)」と呼んでいるのです。
ペットボトルの素材としてのメリット・デメリット
■メリット
- 取り扱いやすく便利
- 十分な強度
- 衛生上も安全
- リサイクルが可能
■デメリット
- 環境負荷
- 海洋汚染
ペットボトルの消費量ってやっぱりすごい
世界的にペットボトルの消費量が毎秒増え続けています。世界全体のペットボトル消費量は10年前は約3,000億本だったが、2016年時点では4,800億本に急増。つまり1分間で100万本、1秒で2万本が消費される計算です。ペットボトルを縦に重ねていけば地球から月までの距離の半分以上に匹敵し、消費量は2021年には20%増え5,833億本になるといわれています。
使用後に投棄されたペットボトルは毎年500万から1,300万トンものプラごみとして世界中の海に流入し、魚や海鳥などの海の生態系を脅かし、人類への悪影響も避けられない状況です。
月までの距離の半分とは、それにしても、想像を絶する量ですね。
ペットボトルの回収率
PETボトルリサイクル推進協議会の回収率推移によると下記のようになっています。
・1993年 回収率:0.4% (回収量:528トン / 販売量:123,798トン)
・1998年 回収率:16.9%(回収量:47,620トン / 販売量:281,927トン)
・2000年 回収率:34.5%(回収量:124,873トン / 販売量:361,944トン)
・2003年 回収率:61.0%(回収量:266,405トン / 販売量:436,556トン)
・2008年 回収率:77.7%(回収量:445,457トン / 販売量:573,105トン)
・2013年 回収率:91.3%(回収量:528,539トン / 販売量:582,896トン)
・2018年 回収率:91.5%(回収量:572,168トン / 販売量:625,547トン)
1993年には0.4%。それが、2018年で91.5%。ものすごい上がりようで、現在のかなり高い回収率にびっくりしました!
【日本、欧州、米国】ペットボトルリサイクル状況
PETボトルリサイクル推進協議会の日米欧のリサイクル状況比較によると下記のようになっています。
・2009年
【日本】リサイクル率:89.9% / 回収率:77.4% 【欧州】リサイクル率:32.1% / 回収率:48.4% 【米国】リサイクル率:20.9% / 回収率:28.0%
・2013年
【日本】リサイクル率:85.8% / 回収率:91.3% 【欧州】リサイクル率:40.7% / 回収率:55.9% 【米国】リサイクル率:22.6% / 回収率:31.2%
・2017年
【日本】リサイクル率:84.9% / 回収率:92.2% 【欧州】リサイクル率:41.8% / 回収率:61.5% 【米国】リサイクル率:20.9% / 回収率:29.2%
日本のリサイクル率は欧州・米国と比較すると、世界最高水準のリサイクルを維持していますね。すごいことだと思います!
ペットボトルリサイクルの流れ
日本容器包装リサイクル協会のホームページに下記の記載があります。
- 指定PETボトル販売
- 家庭から排出
- 市町村が収集
- 日本容器包装リサイクル協会が引取
- 再商品化
再生処理事業者によって再商品化(フレーク化、ペレット化、ポリエステル原料化)が行われ、再商品化製品(原材料)となって、さまざまな製品にリサイクルされます。 再商品化製品は、利用事業者に販売され、利用製品となって活用されます。
利用製品としては、卵のパック、カーペット、回収ボックス、結束バンド、ごみ袋などになるそうです。身の回りにいっぱいありそうですね。
リサイクルの優等生!?ペットボトル!!まとめ
リサイクル率について、ペットボトルは確かに優等生でした。しかし、プラスチックごみの問題が深刻になってきている昨今、そもそもプラスチックの使用量を抑えようという動きも出てきています。代替品となるマイボトルなどを利用してプラスチックごみの削減に貢献しませんか。